人生は再生の物語である。

59歳無職から還暦のリアルへ。

会社を辞めてわかったこと ⑤どうやって自分のスイッチを押せばいいのか。

その日、PCを持って外に出た私は

電車に乗って

ある駅で降りた。

 

目指す場所は決めてあった。

 

あるコワーキングスペースである。

 

何気なく見ていた

NHKの『TOKYOディープ』で紹介されていたので

興味を持って調べてみたのだが

さすが東京、

すでに

いろんな場所に、

料金体系やシステムが違うものが存在していた。

 

やはりどこか自分がいられる場所が

自宅以外にもほしい。

 

以前なら喫茶店しかなかったのかもしれないが

滞留時間や飲食などに縛られずに

過ごすとしたら

イマドキの空間でもある

コワーキングスペースはピッタリのようでもある。

 

何より

自分一人になれる時間を

手に入れることができる。

 

何も持たずに手ぶらというわけにはいかないが

PCというツールがあれば

外の世界とつながることもできる。

 

PCは

今の私にとっても社会の扉だから

これさえあれば

ひとまず安心感もあるし、

何かできそうな気もする。

 

何もしていなくて

いかにもシゴトをしてそうなフリだってできるのは

助かる(笑)。

 

意を決して中に入り

初めてであることを告げると

そこのシステムを教えてくれた。

 

とりあえず時間制を利用したが

1日あたりで設定している料金もあるようで

その場合はオープンしているあいだ

自由に使うこともできるようだ。

 

電源やWi-Fiも整備されている。

 

コーヒーも飲める。

 

とりあえず

空いているデスクを使わせてもらい

その日は2時間ネットサーフィンをしてすごした。

 

あっという間に時間は過ぎてしまった。

 

悪くない。

 

少なくとも

そこにいる人のジャマにさえならなければ

何かするのに

ここで縛られることはないのだから。

 

何となくではあるが

心の安定感も確認できた。

 

そのあと、何回か使ってみた。

 

スペースがやや狭いため

私の席のすぐ近くで会議などをする人たちがいると

自然と耳に入ってくるので

ちょっと戸惑ったものの

まぁそんなものだろうという感じだ。

 

コワーキングスペース

再度調べてみた。

 

東急電鉄が始めたものなど

拠点数が複数のものもある。

 

単発で時間制でも

レギュラーで月額でも

使用できる。

 

残念ながら私鉄沿線で

自宅から近いところでやっていたものが

いくつか閉鎖されていた。

 

利用者をある程度確保するためには

利便性のある駅に近いことなど

いくつかの条件が必要になるのだろう。

 

だが

自分がこれからどうなるのか、

何をするのかもわからない身なので

いきなりレギュラーで使用する気にもなれない。

 

当分はさまよいながら

自分にあった空間を見つけていくしかないだろう

と思いながら、

偶然入ったカフェにはコンセントが多数整備されていた。

 

そうか、

コワーキングスペースではなく

電源カフェ

である。

 

私は自宅から近いところにある

カフェやお店で

コンセントがあるかなど

電源カフェについても調べてみることにした。

 

毎日をどうやってすごすのか。

 

そのテーマが

今の自分にとっては大きな問題なのだ。

 

どうすれば自分のスイッチを押せばいいのか、

自分のコンセントがどこにあるのか、

それをひとまず探すしかない。

 

ずっと充電中、というわけにはいかないのだから。