人生は再生の物語である。

59歳無職から還暦のリアルへ。

慣れない生活は新鮮でもある。

会社を辞めて自由を手に入れたものの

何となく居心地の悪さを感じている。

 

定期的にいく場所がなくなり、

定期的に外出する時間もなくなると

生活のリズムが狂って

それだけで不安になってしまうのかもしれない。

 

何もしないでいいわけでもないが

それがはっきりしない生活というのは

意外に不自由なものなのだ。

 

私が住んでいるマンションでも

定年退職した人やリタイアしている人がいる。

みんな、いったいどんな過ごし方をしているのだろうか?

 

私が定年退職ではなく、

リタイアでもないせいなのか

最初は外出するときもヘンにドキドキしていた。

 

昼間自分のマンションを出ていくときでさえ

別に悪いことをしているわけでもないのに

言い訳をしたくなるのだ。

 

会社勤めをしていて

有給休暇で休んでいたらそうではなかっただろう。

逆にみんなが働く時間に休んでいることで

優越感さえあったかもしれない。

 

しかし、今は違う・・・

 

マンション内でバッタリ会った人に

会社を辞めました、とあわてていったこともある。

 

先方もこんな時間に私がいるのにビックリ、

そのあと急にコクられてビックリ、

のダブルでお互いバツが悪かった。

 

会社を辞めるというのは

それだけで社会ではちょっとイレギュラーな

ことなのだろうか。

 

いや、既にいろんな働き方があるし

フリーで仕事をしている人もたくさんいるので

そんなことに勝手に縛られている自分が

単に落ち着かないせいかもしれない。

 

要するに生活は慣れなのだ。

 

外出しない生活も

今まであまりしてこなかったせいもあって

なかなか慣れない。

 

部屋でやることももちろんたくさんあるのに

ついダラダラ過ごしてしまうし、

そうすると1日があっという間に終わってしまう。

 

部屋で過ごすより

外出した方が何となく気持ちが安定するのも

自分に染み付いた習慣なのだ。

 

それにまだ戸惑っている。

 

何もしない一日も

何かをする日のための一日なのだ。

 

何もしない一日があるから

何かをすることにつながるものなのだ。

 

そう思うようにしているが

私はまだ予定がないカレンダーに慣れていないようだ。

 

本当の自由が

メンドクサイことから解放されて

好きなことをとことんやる、

ということだとしたら

まだそこにたどり着くまでかなりの時間がかかるだろう。

 

でもそんな毎日が新鮮でもあるし、

もう少しこのまま、たゆたっていようかな、

とも思っている。