人生は再生の物語である。

59歳無職から還暦のリアルへ。

メルカリを始める⑭~価値観とのはざまで。

メルカリをやっているといろんな発見がある。

 

月刊誌を1年間分まとめて出して売れれば

気分もスッキリするからと思ってまとめて出品してみたとする。

 

しかし、売れない。

 

困って1冊ずつ出しなおしてみたら売れることがある。

 

そう、買う方からするとまとまっている必要などなく、

欲しいものだけでいいということなのだ。

 

雑誌は号によって特集や取り上げている人物も違う。

 

だから欲しいものだけでいいし、

欲しくないものまではいらない、

 

という当たり前の論理に気がつく。 

 

まとめて買えば1冊あたりは安くなっても

総額としては高くなる。

 

限られた予算で欲しいものをうまく買うなら

欲しいものだけを選ぶしかない。

 

「欲しいものだけでいい」

 

「高い買い物はしたくない」

 

時代のキーワードは何といっても「効率」である。

 

昔は好きなレコードを買うときも

シングルだと2曲しかないのに

LPだと10曲以上入っているから

高くてもこっちの方が効率が良かった。

 

だからシングルが出てもすぐに買わない。

 

そのときは我慢してLPが出るまで待ったりした。

 

井上陽水の「氷の世界」がLPレコードで100万枚突破したのも

LPが主体だったから必然ではあった。

 

LPであればいろんな曲が入っている。

シングルにはなっていない隠れた名曲があったり

実験的な曲もあったりして楽しみだったし、

曲順の構成にも工夫があった。

 

それもこれも今となってはだが、

一つだけではなく「全部」を楽しめたのは

時間的にも金銭的にも余裕があったからかもしれない。 

 

しかし、今は忙しい。

 

時間も金もあるようでない。

 

人生には限りがあることを本能的に知っているのか、

モノをたくさん持つことにも興味を持たないし

カタチがあることに意味を問わない。

 

だから「損か得か」を瞬時に判断しながら

欲しいものだけをなるべく安く、

そしてかさばらない方法で手に入れていく。

 

今の消費はそういう形で行われているし、

手に入れたものもいつの間にか消えていく。

 

何も残らなくていいし、

残らない方がいいとも思っている。

 

そういったことを今何となく肌で感じながら

時間の流れの中で取り残されてしまった自分の価値観を確認しつつ

部屋を埋め尽くしているモノを

少しずつメルカリに出品しながら片付けているところなのだ。

 

自分が生きてきた中で身につけた価値観はなかなか変えられない。

 

しかし、大きなうねりの中でまわりが変化していけば

影響も受けるし、気づきもある。

 

それが時代というものなのだろうが

ときには

戸惑いながら

もがきながら

何とか生き抜くしかないのだろう。