人生は再生の物語である。

59歳無職から還暦のリアルへ。

人は歳をとっても歳をとる練習などしていないのだ。

私は昨年59歳で、無職になった。

還暦を前にだ。

しかし、結果的にそうなってみると

59歳という年齢はかなりビミョーである。

 

若いのか年寄りなのか?

 

働けばいいのか働かなくてもいいのか?

 

何より、どうして過ごしたらいいのだろうか?

 

思えば、

 

歳をとってはきたものの、

歳をとる練習などしてこなかったのだ!

 

還暦を前にして私はいっしゅんうろたえた。

 

とりあえず、

何一つ強い気持ちがないまま自由は手に入れた。

しかし、

何も決まっていない不安定な状態でも

毎日の生活がある。

 

時間はあっという間に過ぎていく。

 

1日、1週間、そして1か月・・・

 

このままだと1年もあっという間に過ぎていくだろう。

 

だから何となくそれなりに

楽しく毎日を過ごしていくことはできそうな気はしているのだが

 困ったことに

それでいいのかという気持ちも日に日に強くなっている。

 

人によるのかもしれない。

 

この前テレビで見た人は

 

定年後の生活の中で、

朝ゆったりとした時間を過ごしながら飲むコーヒーが楽しみで、

今までで一番幸せだ、と言っていた。

 

また別の人は、

 

キャンピングカーを物色しながら

65歳まで頑張ったから今のような生活ができるのだ、

と少し自慢げに話をしていた。

 

私も定年まで働いたらそうなっていたのだろうか?

さらに65歳まで働いていたらそうなるのだろうか?

 

わからない。。。

 

自分がそうならなかったせいかもしれないが

何となくそこらへんの気持ちがわからないのだ。

 

実は何人かの先輩からは

退職前にできるだけ準備をした方がいいといわれていた。

次の仕事や収入源などどうするのかなどについてだ。

 

50代をどう過ごすのか、

定年前の過ごし方についても多くの本が出版されている。

 

また、都会を離れて田舎で過ごすなど

今までの延長線ではなく

生活そのものを大きく変えて残りの人生をどう過ごすのか

を紹介する本もある。

 

どれも迷える子羊には何か役に立ちそうな・・・

 

しかし、私はそれらについて

 まるで興味がなく、読んでもいないままである。

 

さらに見渡すと、

同級生や友人の多くは60歳定年の後に再雇用されることで

安定した生活を過ごしていていたりする。

 

しかし、私はこれにも興味がない。

そうか、そんな人生もあるんだな、という感じなのだ。

 

逆にいえば

事前の準備もしておくのは何となくもったいないというか

面白くないというか・・・

 

もっと空白の空間に一度自分の身を置いて

素直な気持ちで次のことを考えた方がいいのではないか。

 

サラリーマン生活が長かったせいもあるかもしれないが

この数年はずっと、

 

人生のゴールは会社で働ききった先にあるのではなく

会社や年齢に関係なく

残された人生の中で最後まで何をやっていくのか、

ということの中にあるような気が

していたのだ。

 

とりあえずサラリーマンである限り

生活する上でのリスクは少ないし

心と身体の安定のためにもとてもいいことだった。

 

しかし、いつの日かそれも卒業しなければならない。

 

終わりが来たらその先に楽園は保証されていないし、

何より自分がそれに満足できるかわからないのだ。

 

だからとりあえず

サラリーマンでいるときに

先送りしていたこと、

自分が何をしたいのか、

何をすることが幸せなのかを

もう一度考えたり、やったりしてみたい。

 

何故なら、もうあまり時間がないからだ。

 

人生があと何年あるのかわからない。

 

だから今やらないとこのまま人生も終わってしまう。

 

その前に何かを見つけたい

 

そのために何かをやるしかない

 

私の人生最後の旅のテーマは、たぶんそれなのだ。