人生は再生の物語である。

59歳無職から還暦のリアルへ。

胆力がない。

モノゴコロついたころからのライオンズファンである。

 

さすがに西鉄のときはおぼろげだが

その後の

太平洋クラブライオンズ

クラウンライターライオンズ」は

はっきりと覚えている。

 

 

西武が親会社になってライオンズは大きく変わったのだが

広岡と森が監督のときの日本一と黄金期は

自分が社会人になってからの青春時代とも重なって

輝かしいまま記憶に残っている。

 

あの頃は平日昼間に行われていた日本シリーズなど

仕事中でも気になって

会社の中のTV中継に夢中になったり

外出先などでもTVを探したっけ・・・。

 

ネットの無い時代で

当時は結果を知らせてくれる

球団の電話サービスなんかもあった。

 

今無職になってよかったと思うことの一つは

スカパーに加入している関係で

ほとんどの試合を最初から観戦できることだ。

 

TV観戦なら自宅でゆっくり晩酌しながら見れるし

帰りの心配もない。

 

特に今年のライオンズは10年ぶりの優勝に向かって

首位を走っているので

見る方もますます力が入っているのだが

実は困ったことが起きている。

 

ハラハラドキドキの展開になると・・・

 

・・・中継が見れなくなるのだ。

 

え?

 

どうして?

 

昨日も9回に逆転してサヨナラ勝ちしている。

 

前日も逆転勝ちである。

 

いずれも一番いいところを見ていない。

 

見れずにチャンネルを替えているのだ。

 

ハラハラドキドキに耐えられない・・・

 

いい歳をして何ということだ・・・

 

オレは子供か??

 

サヨナラで勝った瞬間などいちばんいいときを生中継で見ないで

その後のプロ野球ニュースで何度も見返す自分に

どうしてなのかと改めて問いかけるが実のところよくわからない。

 

正直言うと歳をとれば

野球のことなど無関心になっていくのかな、

どうでもいいようになるのかな、

とかすかに心配していた。

 

しかし、実際は逆である。

 

昔は楽しめたハラハラドキドキの試合展開が

耐えられずに見れなくなっている・・・

 

いちばんいいのは、大量点差で勝っている試合である。

もう逆転されることもないと安心できる試合が一番楽しめるのだ。

 

ファン以外楽しめない試合、無難な勝ち試合、それが一番いい・・・

 

これはどうしてなのか?

 

日々の生活の中でハラハラドキドキすることがなくなり

その分だけ精神力が弱くなっているのだろうか?

 

サラリーマン時代のように忙しいと

いろんなことに気持ちも分散されるから

野球どころではなくなるし、相対的には野球のことも小さくなる。

だからその分だけ勝っても負けてもその影響は小さいのではないか?

 

それとも若さがある分だけ何事にも向かっていく力や

モノゴトを受け入れる能力が自然にまだ備わっているのだろうか?

 

今の自分のように日々の生活の中に大きなドラマがなく

感情の起伏も変化がなくなると

人間は穏やかになるようで実はそうではない。

 

毎日の時間でガス抜きがされていないせいなのか

時としてささいなことで感情が爆発したり

コントロールできないときがあるのに自分でも驚くときがある。

 

いきなり怒り出す老人を目にすることがあるように

これも歳をとった人特有の現象なのだろうか?

 

何となくそれは

日々の生活の平穏さが影響しているような気がする。

 

もともと自分はセンシティブで気も小さいのだが

もっと鈍感力が必要なのかもしれない。

 

胆力という言葉を思い出した。

 

これからそれを目指したり

手に入れようとすることは遅いのかもしれないが

もっと強くなりたい、と改めて思う。

 

そう、今年の埼玉西武ライオンズのように。