人生は再生の物語である。

59歳無職から還暦のリアルへ。

また始まる1週間。

7時半を過ぎてからやっとスイッチが入った。

 

どうしても8時前にそこに着きたい。

そのためにはできたら7時45分より前にマンションを

出なければ・・・

 

朝食を急いですませ、

高血圧の薬を飲んでからゴミ出しの後、

車で出発。

 

まだ夏休みなので登校する子供がいないのが助かる。

 

急いではいるが、安全運転に細心の注意を払う。

 

商店街を抜けてそこに着くまでには

線路といくつかの信号があるのだが

今日はうまく越えられた。

 

8時前に何とか到着。

 

既にそこには「産直野菜」の旗がなびいていた。

 

とりあえずホッとする。

 

キュウリ100円。

ピーマン100円。

なす200円。

 

元気のいい野菜がいい感じで袋詰めされている。

その中から大きさや光沢を確認しながら

買うものを素早く決めた。

 

産直の新鮮野菜が破格の値段で買えるから

朝まずここに向かう。

 

7月の下旬まであったトマトが200円で

それも美味しかったが、

既に終わってしまったようだ。

 

無人なので料金を箱に入れて車に乗り込むと

すぐ近くに一台の車が停まった。

ワーゲンから一人の婦人が財布を手におりてきた。

珍しくこちらに会釈をするのでこっちも笑顔でかえす。

こんなことは珍しい。

いつもは一目散に走ってくるオバサンに辟易しながら

小さな戦いがあって勝ったり負けたりなのだ。

 

早くマンションを出て良かった・・・

 

何とか朝の目的達成。

 

それからまた急いでいつものファーストフードを目指す。

ここも少し時間がズレてしまうと

目当ての席が埋まってしまうのだ。

 

東京は人が多いし、ちょっとの差が大きい。

 

そこに着いて席を確保してからパソコンをあけ

珈琲を一口飲むと

やっと朝の緊張感から解放される。

 

・・・・・

 

 月曜日だ。

また1週間が始まる。

 

あと2週間で8月も終わる。

 

先週あたりから夜散歩しても風があってかなり涼しく感じられてきたし

明け方もかなり温度が下がっている。

これは台風のせいなのか?

それとも8月も半ばを過ぎるとこうなるものなのか?

東京で過ごす初めての「無職の夏」なのでよくわからないが

少しずつ季節も動いているのだろう。

 

8月を過ぎたら9月は前半東京を離れるし

11月になると友人との旅行もあるので慌ただしくなる。

1年はこのままあっという間に過ぎるだろうのだろうか。

 

まだそんな自分に慣れていないが

時間だけはどんどん過ぎていく。

 

月曜日の朝決まって感じていた憂鬱な気分も

今はさすがにない。

 

サラリーマンでいる限り、

歳をとってもそうなんだな・・・といつも思ってたのが懐かしい。

 

それから週末までの平日を過ごすわけだが

いくつか予定がある分だけ週末は遠くに感じられる。

 

今はそれがない。

 

週末まで平たんな道が続いてそこに大きな障害がないから

比較的穏やかな気分でその道を歩いていくことができる。

 

どこまでそれが続くのか。

その先に何があるのか。

果たして手持ちの金で最後まで歩き続けることができるのか。

 

わからない。

 

でもとりあえずこの道を引き返すことはできないし

何かに出会うためにも

朝入れたスイッチをまた明日も入れるしかないのだろう。